ふくおかプラごみ削減応援サイト

株式会社エフピコ 福岡営業所

福岡県福岡市博多区博多駅南3-1-10 アーバンセンター博多8F

エフピコ方式リサイクルの輪を広げプラスチック資源の循環を

「エフピコ」さんは、食品容器(トレー)を作るトップメーカーです。現在では、スーパーマーケットなどでよく見かけるトレー等の回収ボックスですが、この回収ボックスの設置を1990年に世界に先駆けてスタートさせたのは、「エフピコ」さんの「エフピコ方式のリサイクル」です。以来、豊かな食文化の創造とともに、持続可能な社会の構築に大きな役割を果たしていくことを目指して、取り組みを進化させています。九州営業部ジェネラルマネージャーの楠見さんに、お話を伺いました。

まず、エフピコさんについて教えてください。

弊社は1962年に広島県福山市で創業し、60年以上にわたって食品トレー・容器の製造と販売を続けてきました。もともとは「福山パール紙工株式会社」という社名でしたが、1989年に「福山(F)」「パール(P)紙工」「株式会社(コーポレーションCo.)」それぞれの頭文字(F・P・Co)を組み合せて「株式会社エフピコ」と社名変更しました。

プラスチックごみ削減の具体的な取り組みの内容は?

スーパーマーケットなどに、トレー等の回収ボックスを設置する「エフピコ方式のリサイクル」を行っています。これは、消費者の方々、スーパーマーケットなどのユーザー様、包材問屋様、そしてエフピコが4者一体となって進める循環型のリサイクルのことです。消費者の方々に洗って乾かしていただいた使用済みトレーは、スーパーマーケットの店頭に設置された回収ボックスで集められ、包材問屋様が配達の帰りのトラックでこれを引き取り、弊社が再生します。弊社は自社物流を持っていたため、いち早く実現することができました。

このリサイクルを始めた背景には、発泡スチロールの容器を使っていたアメリカのファーストフード店での不買運動があります。消費者が捨てた容器が環境に影響を与えていると問題視されたのです。当時の弊社小松社長が、「必ずこうした不買運動が日本でも起こるだろうから、我々で作ったものは我々で回収して再生していく」と言い出したのです。最初はみんな大反対でした。しかし、社長は必ずそういう時代が来ると言って、1990年に世界で初めて循環型のリサイクルを開始したわけです。

回収拠点は、当初福山市と大阪市の6店舗でしたが、2023年8月時点では1万拠点を超えています。リサイクルするものも、当初は発泡スチロール製の食品トレーだけでしたが、その後、透明容器のリサイクルも始めました。

使用済みのトレーは何に再生されているのでしょうか?

回収した発泡スチロール製の食品トレーは「エコトレー」に再生しています(トレー to トレー)。「エコトレー」には「エコマーク」がついていますので、簡単に見つけることができると思います。透明容器はプラスチック素材を選別して「エコトレー」と「エコAPET」に。ペットボトルは「エコAPET、エコOPET」に再生しています(ボトルto 透明容器)。

エフピコ方式リサイクルによる効果及び自社製品で何か改善していることをお聞かせください

使用済み容器をリサイクルすることで、バージン素材を製造するための石油を使わずに済むことと、材料リサイクルする方が素材の製造過程のエネルギー負荷が低くCO2排出量を30%削減することができます。2023年3月期では約17万㌧のCO2排出削減貢献量となっています。回収量は、発泡スチロール製トレーと透明容器を合わせて約1万㌧、ペットボトルが約8万1千㌧で、弊社が生産しているものの約44%が返ってきています。

非発泡素材を発泡素材に変えることによって、プラスチック使用量の削減につなげ、従来品に比べ約60%の軽量化を実現しています。軽量化することで、ユーザー様の負担も軽くなります。弊社独自の技術によって、成形と強度、光沢についても非発泡素材に負けないものができ上がったと思っています。こうしたプラスチック使用量削減の取り組みにも力をいれていく予定です。

その他の取り組みについても教えてください。

消費者の方々と最大の接点を持つスーパーマーケット様との協働により、使用済み容器回収のPRを行っています。「お店で使用・販売した食品トレーやペットボトルは、そのお店で資源として回収し、食品トレー・容器に再生して、またそのお店で積極的に使用する」という、お店を発着点とした「ストアto ストア」のリサイクルにご協力いただき、店舗内の一角にブースを設置してのPR活動なども実施しています。

2023年10月、11月にはイオン様、サンリブ様と一緒に「ふくおかプラごみ削減キャンペーン」に参加しましたが、福岡県のほか佐賀県などで開催される環境イベントへの啓発ブースの出展や、学校への出前講座、リサイクル工場見学なども行っています。 あとは、リサイクル工場を太陽光発電にすることでCO2削減に取り組んでいるほか、地球規模の環境問題に対してさまざまな角度から活動をされている団体を助成するエフピコ環境基金も創設しています。

最後に、今後の目標や展望をお聞かせください。

2025年3月期までに、自社エコ製品の販売によるCO2排出削減量を23.7万トンに増やすことで、弊社の生産・物流・オフィスでのCO2排出量を実質ゼロにすることを目標としています。目標達成のため、使用済みトレー・ペットボトルの回収量アップ、太陽光発電などの再生可能エネルギーの積極的導入、再生原料比率アップといった取り組みを進めていきます。

また、発泡スチロール製のトレーについては、これまで「エコトレー」へとリサイクルできるのは白トレーのみでしたが、現在、色・柄トレーもトレーへとリサイクルするための技術を他社と共同開発中です。色・柄トレーは発泡トレー製品の約4割を占めており、数年以内の実現を目指して技術開発を強力に推し進めているところです。

今後も、お客様や社会に必要とされる企業であり続けるために何ができるのかを常に考えながら、新たな可能性に挑戦していきたいと考えています。

会社・店舗情報

食品容器(トレー)を作るトップメーカーのエフピコは1990年に世界に先駆けてエフピコ方式リサイクル(循環型リサイクル)をスタートさせました。持続可能な社会の構築に大きな役割を果たしていくことを目指して、取り組みを進化させています。

株式会社エフピコ 福岡営業所

  • 住所 福岡県福岡市博多区博多駅南3-1-10 アーバンセンター博多8F
  • ホームページ https://www.fpco.jp/