ふくおかプラごみ削減応援サイト

株式会社Bistroくるるん

福岡県三潴郡大木町横溝1331-1 (道の駅おおき内)

環境にやさしい循環型の暮らしを考えるきっかけづくりに

三潴郡大木町の「道の駅おおき」にある「デリ&ビュッフェくるるん」さんは、地元の旬の食材にこだわったビュッフェスタイルのレストランです。テイクアウト用の容器持参を推進しているほか、地産地消を実践するなど、子どもから大人まで多くの方が環境について考えるきっかけになるような活動をされています。
同社の取り組みを、代表取締役社長の松藤さんに伺いました。

まず、デリ&ビュッフェくるるんさんについて教えてください。

地元産の新鮮な旬の野菜を中心にしたビュッフェスタイルのお店として、2010年にオープンしました。
野菜は天候次第で、たくさん採れるときと全然採れないときがあります。メニューありきのお店にしてしまうと、そのとき地元にない野菜はよそから仕入れてでも提供しないといけません。でも、ビュッフェスタイルのお店なら、「今、畑ではこの野菜が採れています」「これが旬でおいしいですよ」「こんな食べ方ができますよ」という風に料理を提供できるようになり、地元野菜の収穫状況に合わせることができて、輸送費などの無駄もなくなります。それで、朝採れ野菜をランチタイム(11時から15時まで)に提供する、ビュッフェスタイルのお店にしました。

料理の内容は季節によって変わりますので、訪れるたびに違う料理が食べられると、地域のお客様にもご好評をいただいております。品数は約50種類ほどと年々豊富になっておりまして、幅広い世代のお客様に足を運んでいただいています。

プラスチックごみ削減のために、どのような取り組みを行っているのでしょうか?

うちのお店はテイクアウトのお客様も結構いらっしゃいます。ランチのあと、ご家庭での夕食用などにお惣菜を買って帰られるんです。計量販売なので、以前はお店でプラスチックのフードパックをご用意して、それに詰めていただいていました。しかし、プラスチックごみ削減のためにできることはないかと考えたとき、テイクアウト用の容器をご家庭から持って来ていただいたら、その分削減できるのではないかと思いまして。それで今は、テイクアウト用のマイ容器を持参していただくよう、お客様にお声掛けをしています。

今回の取り組みを始めたきっかけは?

お店のある大木町は、もともと2008年に「もったいない宣言」をしていて、日本で2番目の「ゼロ・ウェイスト宣言」自治体なんです(ゼロ・ウェイストとは、ゴミをゼロにすることを目指す考え方や取り組みのこと)。そのため、なるべく使い捨てをなくそう、環境にやさしい循環型の暮らし方をしようという考え方は、当レストランのオープン当初からありました。そこで、お箸は割り箸ではなく繰り返し洗って使えるものにしよう、テイクアウト用にマイバッグを持参していただこうといったことは考えていましたが、それ以上のマイ容器持参の呼びかけや使い捨て容器の有料化などはなかなか思い浮かばない状況でした。

そんな中で、コロナ禍の時期にはテイクアウト用にパッケージしたお惣菜を売ることも始めて、使い捨てのプラスチックを使うようになりました。しかし、コロナも落ち着いてきて、環境にやさしい循環型の暮らし方というお店本来の考えに立ち返ったとき、プラスチックごみ削減に積極的に取り組み、それを続けていくことが大事だと思うようになったんです。

取り組みの効果やお客様の反応はいかがですか?

マイ容器持参の取り組みの効果がどれくらいあったかは、大きな数字で表れるようなものではありません。また、お客様の反応はさまざまですね。マイ容器持参についてご説明すると、とても感動し、共感されて、「そんなことができるとは知らなかった。そういうことは大事よね。じゃあ次からは容器を持ってきます」と言ってくださる方もいれば、そうじゃない方もいらっしゃいます。それでも、こういう取り組みを続けていくことで、大人も子どももプラスチックごみを減らすことは大事なことなんだ、自分にもプラスチックごみを減らすことができるんだと気づいてくれたらと思っています。

また、お店で用意しているフードパックは1つ10円で、大体お客様は3つ4つ容器を買って帰られます。少し立派なお弁当型のものは容器自体も高値になるので、1つ50円いただいています。マイ容器を持参されたら、その分が節約できるのと、もう一つ、「ちょっと環境にいいことをしたよね」「ちゃんと環境意識を持っているよね」と、お客様が実感できることも大事かなと思います。

レストラン以外で、プラスチック削減に関してやられていることは?

12年ほど前から、社会福祉協議会が大木町の補助金を活用して、町内の一人暮らしの高齢者や高齢者だけの世帯にお弁当を配達し始め、「大丈夫ですか?どこか具合の悪いところはありませんか?」という声掛けもされていたんですが、そのお弁当をお店で作れないかという打診が2011年2月にありました。お引き受けする際に「じゃあ、容器はどうしますか?」という話になって、そこで私からは、使い捨てではなく、なるべく繰り返し洗浄して使えるものにしてほしいとお願いしました。その結果、社会福祉協議会の方で繰り返し使えるお弁当箱をそろえていただき、同年4月から今に至るまで使っています(現在は大木町シルバー人材センターが配達等を実施)。

また、お店のスタッフは全員マイボトル持参をしていますし、食材の取引業者さんにもなるべく使い捨てのプラスチックやビニールではなく、紙の箱などで配達いただくようにお願いしています。

最後に、今後の目標や展望をお聞かせください。

お店を始める前、私はもともと農業をやっていました。農業は私たちの命をつないでいるとても大事な産業であるだけでなく、環境とも深く結びついています。そのことを子どもたちにも感じてもらいたいと、毎年、地元の小学6年生の児童をお店に無料で招待し、環境や命、農業についてのお話をさせていただいた後、料理を食べてもらっています。
お店でも、一足飛びにはいきませんが、まだまだできることはあると思っています。プラスチック削減であれば、例えば、今はパックされた使い捨てのおしぼりを使っていますが、ゼロに近い状態にもっていきたいし、子ども用のプラスチック製ミニストローは、紙製やバイオマスストローなどに切り替えていくなど、うちのお店として何ができるのかをこれからも考えていきたいと思います。

会社・店舗情報

株式会社Bistroくるるんは、福岡県三潴郡大木町の「道の駅おおき」内にてビュッフェ形式のレストラン「デリ&ビュッフェくるるん」を運営しています。旬の野菜を中心とした約50種類の料理を提供し、地産地消を推進。プラスチックごみ削減のため、テイクアウトにマイ容器持参を奨励し、使い捨て容器の削減に尽力しています。地元の小学生への環境教育や高齢者用のお弁当を繰り返し使える容器にするなど、地域社会や環境に貢献する取り組みを展開しています。

株式会社Bistroくるるん

  • TEL 0944-75-2150
  • 住所 福岡県三潴郡大木町横溝1331-1 (道の駅おおき内)
  • 定休日 第1水曜日、12月31日~1月4日
  • 営業時間 11:00~15:00(オーダーストップ14:00)
  • ホームページ https://ookimichieki.com/restaurant/