Withcoffee株式会社(ウィズコーヒー)
福津市中央6-6-15
「ごみにしない・ごみを出さない」が信条!紙袋や竹ストローでプラごみを削減するコーヒー店

「Withcofee(ウィズコーヒー)」さんは、自家焙煎のコーヒーショップ。コーヒー豆自体はもちろん、粉の量や湯の温度、豆の引き具などにこだわり、ハンドドリップでひとつひとつ丁寧にいれています。
極力「ごみにしない・ごみを出さない」ことを徹底し、プラごみ削減やごみ減量にも意欲的に取り組む社長バリスタの濱田さんに、お話を伺いました。
まず、Withcoffeeさんについて教えてください。

「Withcoffee」は2018年、福岡県福津市で開業しました。自家焙煎コーヒーの豆売りとカフェです。最初は個人事業主で始めましたが、2021年に法人化し、2023年には福津店に続いて2店舗目となる宗像店をオープンしました。
「Withcoffee」という店名のとおり、「“何か”とコーヒー」というのがコンセプトです。例えば音楽でもいいし、読書でもいいし、映画鑑賞でもいい。“何か”とコーヒーを掛け合わせるイベントなどを通して、コーヒーの農産物としての素晴らしさを伝えていきたいと思っています。例えば、「タロット占いとコーヒー」ということで、タロット占いをしてもらってコーヒーを飲むとか。もちろん、コーヒーが飲めない方は、コーヒーじゃなくても構いません。あとは「犬とコーヒー」といって、犬を飼っていれば犬と一緒に、福間海岸のごみ拾いをした後にみんなでコーヒーを楽しんでいただくとか、いろんなイベントを企画しています。
プラスチックごみ削減のために、どのような取組を行っているのでしょうか?
福岡県の補助金を活用して、アイスドリンクのテイクアウト用に再生プラスチックを使ったカップと蓋を購入させていただき、利用しています。アイスの場合は氷を入れるので、なかなか紙のカップにはできないんです。
ほかにも、できる限りプラスチックごみを削減しようと、ビニール袋はやめて全て紙袋にしました。コーヒー豆を販売する際も、紙の袋を使っています。


ストローも竹ストローです。開業当初はプラスチックのストローを使っていましたが、一昨年から竹ストローに切り替えました。テイクアウト用カップの蓋はストロー不要なタイプですが、ストローが欲しいというお客様も多いので、そういった方には竹ストローをお渡ししています。
取組を始めたきっかけを教えてください。
もともと環境問題に関心がありました。コーヒーの生産地は中南米やアフリカなどが主で、低所得者が生産しているということや気候変動の問題などもあって、2050年までにコーヒーの栽培地が半減するといわれています。コーヒーという農産物のサプライチェーン(原材料の調達から製造、物流、販売に至る一連の流れ)を考えていくと、課題がたくさんあると思うんです。ごみの問題にしろ、何にしろ、疑問を持つことが一番大事で、一人一人が考える行為をしないと物事は良くならないのかなと思っています。おいしいコーヒーの素晴らしさを伝えるということに加えて、私が伝えたいのはすごく抽象的ですが、「考える」ということなんです。そして、「Withcoffee」がそのきっかけになるかもしれない。うちのような、いちコーヒー屋がやっても同じかもしれませんが、プラごみ削減についても少しずつできることからやろうと、この取組を始めました。
取組の効果やお客様の反応はいかがですか?

効果を数字で表現するのは難しいですが、ストロー不要なタイプの蓋や再生プラスチックカップを使ったり、ストローが竹ストローだったりすると、お客様にも喜ばれるんだなと実感しています。さらに、それらがきっかけで環境への意識が変わったというお声も頂戴して、取組が間違っていなかったと再確認できました。
プラスチックごみも含めて、ごみ削減に関するそのほかの取組があれば教えてください。

ごみの分別は徹底するようにしています。例えば紙や段ボールは廃品回収に出して、燃えるゴミと一緒に捨てたりはしていません。リサイクルできるものはリサイクルするようにしていますから、ごみの量は1週間で45ℓくらいと、かなり少ないと思います。
また、極力ごみを出さないように、再利用できるものはごみにはしていません。コーヒーを抽出したらコーヒーかすが出ますが、うちの労務士さんが畑をやっていて、堆肥にするといってコーヒーかすを持って帰ってくれるんです。コーヒーかすは、堆肥にする以外にも脱臭効果があって、生ごみやペットの糞などに混ぜると匂わなくなります。それで、コーヒーかすをためて、お客様にも自由に持って帰っていただいています。焙煎の際にはチャフという豆の薄皮も出るので、それも捨てるのではなく、お客様に持って帰っていただきます。チャフは堆肥のほか、ぬか床に入れても酸味があるので美味しくなります。私たちが「こういう風に利用できますよ」とお伝えすると、「じゃあ、やってみようか」と興味を持ってくださる方も多いですね。
最後に今後の展望をお聞かせください。

オリジナルのタンブラーを作って、そのタンブラーでテイクアウトの場合は安くするとか、コーヒー豆の販売用に繰り返し使えるオリジナルの缶を作るとか、そういうことができればいいなと考えています。経費との相談がありますが、なるべく包装資材はなくしていきたいですね。
そして、どんなことに対しても「考える」きっかけが与えられるコーヒー屋でありたいと思っています。「福岡県SDGs登録事業者」や「ふくおかプラごみ削減協力店」、「飲酒運転撲滅宣言の店」、「子育て応援宣言」など、県の登録制度にできる限り協力させてもらっているのもそのためです。これからも、ごみにしない、ごみを出さない取組を進めながら、お客様にとっても環境問題について考えるきっかけになればと思います。

会社・店舗情報

Withcoffee株式会社(ウィズコーヒー)
- TEL 0940-51-4685
- 住所 福津市中央6-6-15
- ホームページ https://withcoffee.jp/