ゼロ・ウェイストをコンセプトにした量り売りスーパー「フォーアス」を展開

北九州市に本社を置く「サンリブ」さんは、九州地方や中国地方でスーパーマーケットを展開しています。若松区の「サンリブ高須」内にゼロ・ウェイストをコンセプトとした量り売りスーパーマーケット「フォーアス」をオープンするなど、プラスチックごみ削減に積極的に取り組んでいます。広報課長の中澤さんに、お話を伺いました。

プラスチックごみ削減の具体的な取り組みの内容を教えてください。

私どもでは、プラスチック資源循環法の施行(2022年4月1日)前から一部の店舗でレジ袋を有料化していましたが、法施行に合わせてレジ袋の辞退率をできる限り上げていこうということで、マイバックの推進を進めています。

ただ、それでも必要なお客様はレジ袋をお買い求めになりますから、レジ袋自体を薄くしたり、バイオマスを配合して石油由来原料自体を減らすなど、メーカー様と協議を重ねて仕様の見直しを行っているところです。レジで配布するカトラリーについては、プラスチック製のスプーンを木製に変更しています。

「サンリブ高須」では独自の取り組みを行っているようですが。

ごみ全般をできるだけ出さない「ゼロ・ウェイスト」をコンセプトとした「フォーアスproduced by 斗々屋」というお店を、京都でゼロ・ウエィスト・ショップを運営している「斗々屋」様にプロデュースしていただき、北九州市若松区にある「サンリブ高須」内に、2023年2月にオープンいたしました。
2024年の春には、大分市内に2号店をオープンする予定となります。

「フォーアス」について、もう少し詳しくご紹介していただけますか。

「フォーアス」では、ゼロ・ウェイストを実現する手段として量り売りを行っています。プラスチックごみ削減だけでなく食品ロスの削減も私どもでは重点課題として挙げていますので、その両方を同時に行えるということで、お惣菜売り場とカフェを併設しています。

「フォーアス」で販売しているのは300品目以上です。ナッツ類や乾物類だけでなく、日常使いの調味料や洗剤、野菜、お米、納豆などもすべて量り売りをしています。ただ、どうしても野菜などは鮮度が落ちてきますから、鮮度が落ちる前に店内で調理して、お惣菜として販売するか、カフェメニューとしてお出しすることで、食品ロスも出さないということをコンセプトにしています。

お客様にはご自宅から容器を持って来ていただき、量り売りをご利用していただきます。容器をお持ちでなければお貸しして、一旦預り金をいただき、返却の際に返金するデポジット制です。
さらに、お取引様との物流に関しても、仕入れ段階から通い袋などできるだけごみを出さないような包装をお願いしています。

取り組みの効果やお客様の反応はいかがですか。

レジ袋の有料化によって、レジ袋の総量は有料化前の2割まで削減することができました。もともと、お客様の行動様式を変えていきたいというのがプラスチックごみ削減の取り組みの大きな狙いでした。皆さんの意識が非常に変わってきていることを実感しています。
「フォーアス」でも、容器を持参されるお客様が増えています。

福岡県と協働で「ふくおかプラごみ削減キャンペーン」イベントも実施されていますね。

2023年は、10月に「サンリブシティ小倉」で花王様のワークショップや、プラごみ削減を学べるクイズラリーを開催し、多くのお客様にご参加いただきました。
実は、もともと花王様とはSDGsの取り組みについて、協働でさまざまな施策を実施しています。今回、福岡県様、イオン九州様と「ふくおかプラごみ削減キャンペーン」のお話が進む中で、「じゃあ、花王様も一緒にやりましょう」とお声がけをさせていただき、ワークショップが実現したという経緯です。 また、食品容器メーカーのエフピコ様とも協働でリサイクル運動をさせていただいていますが、今回のキャンペーンにエフピコ様もご参加いただいて、食品トレーやPETボトルがどうやってリサイクルされるかといった展示を行いました。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

私どもと同じような課題を抱えた同業者様がたくさんいるので、協働で課題が解決できないかというお話を、いろいろなところでさせてもらっています。パートナーシップを生かして、メーカー様、行政様、同業他社様、そしてお客様も含めて、地域全体でプラスチックごみ削減、リサイクルをやっていきたいと考えています。