公益財団法人 北九州生活科学センター
北九州市戸畑区中原新町1番4号
負担なく取り組めるプラごみ削減で職員の意識も向上

「北九州生活科学センター」さんは、検査、調査、研究、啓発、相談等を通じて、公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与することを目的に設立された公益法人です。 総務企画課が中心となって推進しているプラごみ削減の取り組みについて、同課の其田さん、井上さん、石田さんに伺いました。
公益財団法人 北九州生活科学センターさんについて教えてください。

北九州生活科学センターは、公衆衛生の向上を目的として設立された公益財団で、主に食品の検査や飲料水等の水質検査をはじめ、微生物検査、環境検査などを行っています。
近年、海外で日本食がブームとなっていて、日本の魚介類を海外へ輸出する例が増えていますが、日本では福島の原発事故の影響を受け、輸出する際に放射線検査を実施する必要があるため、当センターではその検査にも対応しており 、全国の水産業者様からご依頼をいただいております。
最近では、PFOS/ピーフォス・PFOA/ピーフォア(工業的に作られる「有機フッ素化合物PFAS/ピーファス」の一種)が問題になっていて、検査ニーズがとても高まっていることから、私どもは今後ますます高まると予想されるニーズに迅速に対応できる体制を、しっかりと整えていきたいと考えています。
ほかにも、北九州市様からの委託により「衛生害虫センター」を運営し、市民の皆様からの衛生害虫に関する窓口相談に応じています。
また、食品衛生に関する管理者の方の研修を行う等の業務を行っています。地域に根差し、地域の皆さんに必要とされ、信頼されるセンターになることを目指して、さまざまな分野の検査業務などを行っているところです。
プラスチックごみ削減のために、どのような取組を行っていますか?

センターには分析機器が何十台とあります。毎日、さまざまな検査を行っていて、分析データや検査結果の報告書を大量に印刷します。請求書もまだ紙で作成しているため、月に消費するプリンターのトナーカートリッジは20~30本くらいになるでしょうか。
また、検査課の方で書類の仕分けをする際には、ファイルの背にラベルを貼ったり、クリアファイルを使ったりしますので、使用済みのトナーカートリッジ、テプラカートリッジ、クリアファイルはかなりの量になります。
そこで、それらを集めて回収業者さんに渡し、リサイクルしてもらっています。トナーカートリッジは10年ほど前から、テプラカートリッジとクリアファイルについては数年前から回収をお願いしています。


取組を始めたきっかけを教えてください。

職員が家庭ではペットボトルを分別するといったことをやっています。その意識を職場でもと総務が呼びかけて、さらに職員が自発的に取り組むようになったことがきっかけです。
また、本格的にプラごみ削減に取り組むようになったのはSDGsが注目されるようになってからですが、プリンターのトナーカートリッジについては、それよりも前から回収業者さんにお願いしていました。
取組の効果は?
プラごみ削減に対する職員の意識が向上しました。みんな、とても協力的です。以前に比べて、「これはどこに捨てたらいいのか」と聞いてくる職員も増えてきました。私どものプラごみ削減は、「負担なく取り組むことができる」、これが大前提です。負担に感じると長続きしませんからね。
センター自体が環境保全に関わる特殊な業務を行っていることもあり、私たち職員がプラスチックごみの削減に取り組むことによって、環境をより良いものにしていこうという気持ちは職員全員にあると思います。
そのほかにプラスチックごみ削減に関しての取組はありますか?
小さなことですが、夏場に職員が外に出ることが結構あるので、熱中症対策としてセンターの方で麦茶を用意しているんです。以前は500mlのペットボトルなどを渡していましたが、今は2ℓサイズの大きなペットボトルを購入し、職員が持参した水筒などに移して持って行ってもらっています。職場でコーヒーなどを飲む際にマイカップを持参している職員も多いですね。

あとは、ボールペンなども以前は使い捨てでしたが、総務の方で替え芯(レフィル)を使うように変更しました。今は、捨てるのではなく、替え芯を入れて繰り返し使うという意識付けができていると思います。それから、かなりの量になる検査結果の報告書についても、窓枠がプラスチックの封筒を使って郵送していましたが、現在、電子化を進めています。
プラスチックごみ以外の取組があれば教えてください。

紙を大量に使うため、古紙回収を行っています。業務の内容から機密文書などもあるため、
以前は古紙を裁断して回収してくれる業者さんに頼んでいました。その業者さんはリサイクルをしていなかったので、現在、機密文書などは自分たちでシュレッダーにかけ、古紙をリサイクルする業者さんに回収をお願いしています。回収した古紙は卵のパックなどにリサイクルしているそうです。紙についても、以前は職員に分別の意識はあまりありませんでしたが、「古紙」という意識が段々根付いてきて、ちゃんと回収できるようになりました。
最後に今後の目標や展望をお聞かせください。

センターでは飲料水の検査などもやっています。検査で使う容器などはプラスチックのものが多いのですが、今は消耗品として捨ててしまっています。というのも、検査のための薬品などが付着しているため、簡単にはリサイクルできないからです。こうしたプラスチック容器もちゃんとリサイクルしてくれるところがあれば、今後、考えていきたいですね。
プラスチックごみ削減には金銭的な負担などが必要なこともありますから、企業としてはなかなか取り組みにくいかもしれません。でも、手作りの回収箱を使用してプラごみを削減するなど、私たちのようにあまり負担のない取組から始めれば、少しずつ職員の意識が変わってくると思います。今はグループウェアのようなものを使って、例えば、「今後こういう取組を始めるのでお願いします」といった情報を写真付きで職員全員に発信しています。みんなとても協力的です。
今後も、プラスチックごみ削減はもちろんのこと、北九州生活科学センターとして、皆さんが安心して快適な環境で暮らせる世の中を作るために貢献していきたいと考えています。
会社・店舗情報

公益財団法人 北九州生活科学センター
- 住所 北九州市戸畑区中原新町1番4号
- ホームページ https://www.klsc.or.jp/