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三栄印刷株式会社

福岡市博多区千代1-6-1

「グリーンプリンティング」など環境に配慮した取り組みを継続

「三栄印刷」さんは、1963年創業の歴史ある地元密着型の印刷会社です。早くから環境に配慮した取り組みを続け、環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001を取得。「グリーンプリンティング認定工場」(一般社団法人日本印刷産業連合会が定めた環境配慮等の基準を満たした工場)でもあります。「環境方針」を掲げ、環境に配慮した製品作りはもちろん、脱プラ商品など環境配慮資材のPRも含めた同社の取り組みを、取締役社長の光枝さんと、工場長の永岡さんに、伺いました。

まず、三栄印刷さんについて教えてください。

三栄印刷は、企画、デザインから印刷、加工、発送まですべて一貫して行っている総合印刷会社です。例えば「印刷しかやりません」ではなく、お客様のあらゆるニーズにワンストップで応えるトータルプロデュースが弊社の強みです。

どのような取り組みを行っているのでしょうか?

弊社は2004年にISO14001の認証を取得しました。以来、環境問題への取り組みを最重要課題と位置づけ、プラスチックごみ削減も含めて環境への負担を削減すべく、全社一丸となり、継続的な改善に取り組んでいます。

2008年には「グリーンプリンティング認定工場」の認定も受けました。
「グリーンプリンティング」とは、印刷業界の環境自主基準に基づく総合認定制度です。印刷で使う紙の主な原料は木で、印刷する際にはかなりの水が必要です。このように自然と密接な関係にある印刷業界全体で環境を守ろうという動きがあったことから、日本の印刷業界の代表団体である一般社団法人日本印刷産業連合会がこの制度を創設しました。

グリーンプリンティング認定工場である弊社で作成し、基準を満たした印刷物には、グリーンプリンティングマークを無償で入れることができます。グリーンプリンティングマークが表示された印刷物は、環境にやさしい印刷物である証になります。

また、弊社では「環境方針」を掲げ、全社員が目的意識を共有して、省エネルギー・省資源、廃棄物の排出削減に継続的に取り組んでいます。お客様に対しては、非木材紙や再生紙およびベジタブルインキ等の環境に配慮した資材を積極的に勧めるなどの環境マネジメント活動を実施しています。

プラスチックごみ削減に向けた、具体的な取り組みの内容は?

弊社では名刺の印刷も行っていますが、従来は印刷した名刺をプラスチックのケースに入れ、緩衝材(いわゆるプチプチ)で包んで封筒に入れて発送するという流れでした。それを、名刺のケースを紙に替え、発送用の封筒も紙の緩衝材が一体になったものに替えました。これは広げて商品を押し込むと中の紙が伸びて緩衝材になるというものです。この封筒自体は5年ほど前にメーカーさんからご提案いただき、「これいいね」ということで導入して使い始めました。資材としては価格が高めになりますが、弊社ではプラスチックごみを無くしていくということで、こちらに完全に切り替えました。

もう一つ、窓付き封筒があります。封筒の一部分を切り抜き宛名などの中身が一部見える封筒のことを窓付き封筒と言います。窓付き封筒は窓部分に内側から透明のフィルムを貼り付けたいわゆる「セロ窓」や「プラ窓」が多く使われていますが、弊社では窓部分がグラシン紙という半透明の紙でできた封筒を長年使っています。封筒のご注文も多くいただいているので、お客様が窓付き封筒をご注文されるときも、この紙の窓付き封筒をご提案させていただいています。

あとは、営業資料などを入れるのに、弊社ではクリアファイルの代わりに紙の素材を使ったファイルを使用しています。プラではない紙のファイルなのでそのまま紙としてリサイクルすることができますし、中身が透けません。先ほどの窓付き封筒と同じグラシン紙を使った中身が少し透ける商品もあります。一部の商品はほとんどプラスチック製と変わらないくらいまで値段が下がってきていますので、徐々にご導入いただくお客様も増えてきています。

取り組みの効果やお客様の反応はいかがですか?

例えば名刺を発送する際に使っている封筒に関しては、プラ素材である緩衝材の使用量も格段に減りましたし、ケースを緩衝材で巻いてから袋に入れて発送するというこれまでの手間がなくなり、作業時間がかなり短縮されました。

窓付き封筒については、窓部分も紙なので、捨てる際に従来のように窓のフィルム部分を切り取る必要がありません。最近はごみの分別廃棄やリサイクルへの意識も高まっておりますので、そのままリサイクル素材として処分できるということで、お客様にもご満足いただいております。

お客様からリサイクル素材に関しての問い合わせも増えてきており、特に、官公庁や大手企業様などはグリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)の基準に沿った紙および印刷が出来る会社を探していらっしゃいます。弊社のように「グリーンプリンティングマーク認定工場」は、基本的にグリーン購入法に対応したご提案ができるので、そうしたお問い合わせをいただいた場合、お客様のご要望に沿った、出来る限り費用を抑えられるようなご提案をさせていただいております。

事業以外でプラスチックごみ削減に向け、社内で行っていることは?

マイボトルの利用促進です。小さなことですが、ペットボトルをなるべく減らしていくということで、従業員はマイボトルを持参しています。

また、これは廃棄物の排出量削減の取り組みになりますが、弊社では三栄印刷エコショップというWebショップをやっています。工場で色々な印刷商品を作る際に、どうしても紙の端が余るんです。それをセットにしてWebショップで販売しています。紙好きの方が全国にいらっしゃって、すぐに売り切れてしまいます。捨てるのはもったいないような上質な用紙もありますので、ご活用いただけて大変ありがたいなと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

環境にやさしい何かをするということは、一つ一つできることから着実にやるしかありません。例えば、何かいい素材や商品などが出てきたら、「じゃあ、これをやってみよう」とか、「グリーンプリンティングマーク」のようなお客様にアピールできるものがあれば取得していくとか、とにかく目の前の課題を一つずつクリアしていくことが大切です。弊社も含めてみんながそうした地道な努力を積み上げていくことで、地球の環境や資源を次世代につないでいくことができると信じています。

会社・店舗情報

1963年創業の歴史ある地元密着型の印刷会社である三栄印刷。早くから環境にやさしい取り組みを続け、ISO14001認証を取得。「グリーンプリンティング認定工場」(日本印刷産業連合会が定めた環境配慮基準を達成した工場)でもあります。様々な取組のもと、地球の環境や資源を次世代につないでいくことを目指しています。

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